血糖値は「数値」だけでなく「流れ」を見ることが大切です
糖尿病の治療において欠かせないのが、食事療法です。
しかし、同じ食事をしても血糖値の上がり方や体調の変化は人によって異なり、一般的な栄養指導だけでは改善が難しい場合も少なくありません。
食後に血糖値が急激に上昇する状態は「グルコーススパイク」と呼ばれています。
このような血糖変動を繰り返すことで、血管への負担や酸化ストレスが増加し、将来的な動脈硬化や心血管疾患のリスクにつながる可能性があることが、これまでの研究で示されています。
食後のだるさとグルコーススパイク
食後に血糖値が急激に上昇する グルコーススパイク が起こると、その後にインスリンが多く分泌され、血糖値が急速に下がることがあります。
このような 血糖値の大きな変動(上昇→下降) が起こると、
- 強い眠気
- だるさ
- 集中力の低下
などを感じることがあります。
これは、血糖値が急に低下することで起こる反応性低血糖(postprandial reactive hypoglycemia)に近い状態と考えられています。
こんな食事で起こりやすいことがあります
例えば次のような場合に、食後1〜3時間ほどで
- 眠くなる
- ぼーっとする
- 甘いものが欲しくなる
といった症状を感じる方がいます。
- 白米や麺類など炭水化物中心の食事
- 甘い飲み物やデザート
- 空腹の状態で一気に食べる
こうした血糖変動は、実際に血糖値を測定してみることで初めて分かることも少なくありません。
これまでの血糖測定の限界
従来の血糖測定では、
血糖値は**ある一瞬の数値(点)**としてしか確認することができませんでした。
- 血糖値が上がってきた途中なのか
- 高くなったあと、下がってきてこの数値なのか
といったことは分からないままでした。
同じ血糖値であっても、上昇途中なのか、下降途中なのかによって、体への影響や、その後の血糖変動は大きく異なります。
血糖値の「流れ」を見える化する血糖センサー(リブレ等)
血糖センサー(例:FreeStyleリブレなど)を使用することで、血糖値を連続的に測定し、食後にどのように上がり、どのように下がっていくのかという血糖値の「流れ」を確認することができます。
これにより、グルコーススパイクを含めた血糖変動を把握しやすくなり、HbA1cなどの平均値だけでは分からない血糖の特徴が見えてきます。

HbA1cが正常でも、確認する意味があります
HbA1cは、過去1〜2か月の血糖値の平均を表す指標です。
そのため、HbA1cが正常範囲であっても、
- 食後だけ血糖値が大きく上昇している
- 短時間に急上昇と急降下を繰り返している
といった血糖変動が隠れていることがあります。
近年では、血糖値の高さだけでなく、血糖値の変動そのものにも注目が集まっています。

グルコースフライトとは

グルコースフライトは、血糖値そのものを測定するものではありません。
血糖センサーで得られた血糖データを活用し、かんたんで続けやすいアプリと管理栄養士に食事の相談ができるサポートを組み合わせた、血糖の変化を知りながら、毎日の食生活をやさしく整えていくプログラムです。
血糖データと食事内容を一緒に振り返ることで、「食べてはいけないもの」を増やすのではなく、「どう食べると血糖値が上がりにくいか」を考えていきます。
データをもとに、無理のない食事療法へ
当院では管理栄養士が、患者様一人ひとりの生活リズムや食習慣を丁寧にお伺いし、血糖センサーで得られたデータを参考にしながら栄養指導を行っています。
実際の生活に無理なく取り入れられる工夫を、血糖の変化を確認しながら一緒に考えていきます。

*アプリ画面の一部
こんな方におすすめです
- 健診で血糖値やHbA1cを指摘された方
- HbA1cは正常でも、食後の眠気やだるさが気になる方
- 食事に気をつけているのに、血糖値が安定しない方
- 自分に合った食事の工夫を知りたい方
- 将来の糖尿病や合併症が心配な方
まとめ
血糖値は、単なる数値だけで評価するものではありません。
その前後の「流れ」を知ることで、より自分の体に合った食事や生活習慣のヒントが見えてきます。
血糖センサーで血糖の変化を把握し、グルコースフライトを通じてそのデータを生活に活かすことが、無理なく続けられる食事療法につながります。