Ⅱ型糖尿病とは
Ⅱ型糖尿病は、インスリンの分泌低下やインスリンの働きが弱まることで起こります。「生活習慣病」の一つであり、偏った食事や運動不足、喫煙・飲酒の習慣などと深い関わりがあると考えられ、そこに遺伝などの体質が加わることで発症します。
国内には1,000万人近い方が糖尿病を強く疑われる状態にあり、さらに1,000万人の糖尿病予備軍がいると言われています。
Ⅱ型糖尿病では、元々の体質や進行具合によって病状がそれぞれ違うため、必要な治療や目標が大きく異なります。周囲に同じ糖尿病患者がいるからと言って、同じような治療でよいとは限りません。放置すればするほど悪化するという特徴もあるため、早めの検査・治療をしていきましょう。
Ⅱ型糖尿病の原因
Ⅱ型糖尿病の原因には、遺伝的要素と環境的要素があります。
遺伝的要素では、家族に糖尿病の患者さんがいることに加え、日本人であることも一つの要因と言われ、糖尿病になりやすい体質があると考えられています。
環境的要素とは、食事や運動などの生活習慣です。生活習慣と糖尿病の発症リスクの関係については、次のようなことがわかっています。
糖尿病の発症リスクについて
- 年齢:年齢が上がるにつれ、男女ともにリスクが上昇します
- 肥満指数:BMIが増えるごとに、男女ともにリスクが上昇します
- 家族歴:家族に糖尿病の患者がいると、男女ともにリスクが上昇します。女性のほうがより影響を受ける傾向にあります
- 血圧:高血圧があると、男女ともにリスクが上昇します
- 喫煙:習慣的に喫煙する人は吸わない人と比べ、リスクが上昇します
- 飲酒:習慣的に飲酒する人は飲まない人と比べ、リスクが上昇します など
Ⅱ型糖尿病の治療
食事療法
食事療法はⅡ型糖尿病の治療の基本であり、糖尿病の疑いがある段階から始めることで、より効果が期待できます。
食事はこの成分だけ摂ればよいというものではなく、栄養素を考慮したバランスのよいメニューを検討します。我慢をしすぎるとかえってストレスになるため、工夫しながら長く取り組んでいくことが大切です。急な血糖値の上昇を避けるため野菜から食べる、高血圧の原因になる食塩の量を減らす、ゆっくりよく噛んで食べるなどを心がけましょう。
また、当院では管理栄養士による栄養指導も行っています。ご希望の際はお気軽にご相談ください。
※管理栄養士による栄養指導をご希望の際は、事前にお問い合わせください
運動療法
食後に運動すると血糖値の上昇が抑えられる、運動を続けることでインスリンの効きがよくなる、中性脂肪が低下し高血圧の予防になるなど、運動療法には様々な効果があります。
ウォーキングやラジオ体操、水泳などの有酸素運動を行うことから始め、週に2~3回、腹筋や腕立て伏せなどの「レジスタンス運動」を取り入れることも推奨されています。
血糖コントロールが悪い、合併症が進行している、高齢でケガの恐れがあるなど、運動療法を避けるべき場合もありますので、しっかりとご相談しながら進めていきましょう。
薬物療法
食事・運動療法を続けても血糖のコントロールが見込めない場合は、服薬や注射による治療が必要です。とくにインスリン療法は糖尿病が悪化してから行う治療と思われがちですが、Ⅱ型糖尿病の病態は幅広く、治療開始と同時に必要になる方もいらっしゃいます。