I型糖尿病

I型糖尿病

Ⅰ型糖尿病とは

Ⅰ型糖尿病とは

Ⅰ型糖尿病は、膵臓でインスリンを作っているβ細胞が何らかの理由で壊され、インスリンがほとんど分泌されなくなる病気です。β細胞が壊される原因はわかっていませんが、免疫反応が正しく働かず、自分で攻撃してしまう「自己免疫」が関わっていると言われています。
10~20代の若年層の方が突然発症することが多いのですが、高齢者にも見られます。世界的に糖尿病全体の約5%がⅠ型糖尿病だと言われ、日本での発症は比較的少ないことが特徴です。

インスリン注射が必須になる一方で、しっかりと血糖コントロールをすれば糖尿病ではない人と同じような生活を送ることもできます。合併症や進行を防ぐためにも、根気強く治療を続けていきましょう。

Ⅰ型糖尿病の種類

Ⅰ型糖尿病は進行スピードによって3つに分類されます。

急性発症Ⅰ型糖尿病

Ⅰ型糖尿病の中で最もよく見られるタイプです。
糖尿病の症状が出始めてから3カ月以内に、インスリンを補う治療が必須の「インスリン依存状態」になります。発症後すぐにインスリン治療ができた場合は一時的にインスリンの機能が改善することがありますが(ハネムーン期)、しばらく経つと再びインスリン治療が必要です。膵臓の自己抗体を認めることが多いです。

劇症Ⅰ型糖尿病

血糖値が高い状態になってから数日で、急激に悪化するタイプです。膵臓の自己抗体は見られず、過去2カ月ほどの血糖の指標であるHbA1cが低めなことが特徴です。また、直前に風邪の症状がある方が多いことや、20歳以上の発症が大半を占めることもわかっています。
急激に症状が進行するため、ただちにインスリンを補充する治療が必要です。

緩徐進行Ⅰ型糖尿病

長い期間をかけてゆっくりとインスリン分泌が低下していくタイプで、インスリン依存状態になるまでは3カ月~10年ほどと幅があります。初期にはインスリン治療が必要なく、Ⅱ型糖尿病と診断されることもあり、血液検査で自己抗体を見逃さないことが重要です。Ⅱ型糖尿病の治療を受けていてもなかなか改善が見られないという方は、抗体検査をしてみましょう。

Ⅰ型糖尿病の原因

Ⅰ型糖尿病の原因

原因はわかっていない点もありますが、多くが自己免疫性、数%が特発性で、通常は遺伝しないと言われています。Ⅱ型糖尿病との大きな違いは、生活習慣と糖尿病の発症が無関係だということです。症状が突然起こることが多く、毎年検査を受けていても血糖値の上昇が見られなかったという方がほとんどです。
また、エンテロウイルスや麻疹などのウイルス感染が発症のきっかけになる例も報告されています。

Ⅰ型糖尿病の治療

インスリン療法

Ⅰ型糖尿病の方は、自分でインスリンを作ることができなくなっているため、インスリンを補う治療が必須です。インスリン製剤は作用時間によって複数のタイプがあり、患者さんのライフスタイルに合わせて選択します。

食事療法

使用するインスリン製剤のタイプを考慮しながら、食事の内容を決めます。小児や思春期の患者さんの場合は、低血糖を避けるために規則正しい3回の食事を心がけます。成人では、血糖値の変動を少なくするために間食をしたり、必要量を5・6回に分けて摂ったりするなどの方法も用いられます。

運動療法

運動することでインスリンの働きを高め、糖やその他の栄養を有効活用できるようにします。インスリンの効きがよくなれば、治療薬の増加を避けられます。また、肥満や動脈硬化の予防、ストレスの解消などにも役立ちます。

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