のどが渇く

のどが渇く

のどの渇きは体の防御反応です

のどの渇きは体の防御反応です

血糖値が高いと血液がドロドロの状態になります。血管が硬くなる動脈硬化を始め、脳梗塞や心筋梗塞などのリスクが高まっている状態であり、体は少しでも血液をサラサラにしようと水分を欲します。つまり、のどの渇きは体が「危険な状態」と判断した防御反応なのです。

のどの渇きは、糖尿病の代表的な症状です。しかし、ある程度進行して合併症のリスクが高まってから出現するものであり、すでに「黄色信号」の状態です。のどの渇きを感じることが増えたり、よく水を飲むようになったと指摘されたりしたら、なるべく早く治療を開始することが重要です。

1日に必要な水分量の目安

1日に必要な水分量の目安

私たちの体は6割ほどが水分であり、水は栄養素などの運搬や体温調節など様々な働きをしています。生命や健康の維持に不可欠な水ですが、1日にどれくらい摂ればよいのかという明確な基準はありません。これは性別や年齢、活動量などによって異なるためであり、国によっても考え方が違います。また、日本の和食メニューは水分量が多いため、食事から摂る水分量が異なることも諸外国との違いだと言えます。
いずれにせよ、のどの渇きを感じたときにはすでに脱水が始まっているので、こまめな水分補給を心がけましょう。

国・地域 年齢や活動量など 1日に必要な水分量
日本 生活活動レベル低 2.3~2.5L程度
生活活動レベル高 3.3~3.5L程度
アメリカ・カナダなど 性別・年齢に応じた細かな目安量が設定されている

糖尿病以外に考えられる疾患

夏の暑い日や利尿作用の高いものを飲んだとき、発熱、薬の副作用など、のどが渇く原因は日常にたくさんあります。糖尿病以外の疾患の可能性もあるので、気になる症状があれば鑑別診断をしましょう。

副甲状腺機能亢進症

喉元にある副甲状腺にがんなどの腫瘍ができることで、副甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。血液中のカルシウム濃度が必要以上に高くなり、骨が脆く骨折しやすくなったり、尿路結石ができたりします。発症率は低いものの、副甲状腺がんになるとカルシウム濃度が非常に高くなるため、のどの渇きのほかに胸焼けや吐き気、食欲低下などの症状を起こしやすくなります。

更年期障害

女性の閉経前後(45~55歳ごろ)の間に起こる心身の不調全般を指します。エストロゲン(女性ホルモン)の分泌が急激に低下することが原因だと言われ、のどの渇き以外にも火照りやのぼせ、動悸・息切れ、頭痛、不眠など、200種類以上の多様な症状があります。

シェーグレン症候群

涙腺と唾液腺に炎症が起こる病気で、主に中年女性によく見られます。自分の体を誤って攻撃してしまう自己免疫疾患で、ドライアイとドライマウスが代表的な症状です。

尿崩症

脳下垂体の後葉から分泌されるホルモンの異常によって、体内の水分が尿となって大量に排泄される病気です。体内が常に水分不足の状態になり、水分を摂っても摂らなくても尿がたくさん出ます。唾液も出にくくなるため激しいのどの渇きを感じ、脱水によって命の危険に晒されることもあります。

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