「糖尿病かな?」と感じるきっかけは様々
ほとんどの場合、ある日突然血糖値が高くなって糖尿病を発症するということはありません。かなり血糖値が高くなるまでは症状が出ないので、不調が現れて初めて気づく方も少なくありません。また、糖尿病を患っていると他の疾患にかかるリスクが上がるため、合併症をきっかけに糖尿病と診断されるケースもあります。
健康診断や病院で指摘された、気になる症状があるなど、少しでも「糖尿病かもしれない」と感じたら、早めに検査を受けましょう。
糖尿病が見つかるきっかけ
血糖値が高いことで起こる症状
- のどの渇き
- 尿の量や回数が増えた
- 急な体重の減少
- 疲れやすい
- 体がだるい
- 吐き気 など
血糖値が高い状態を放置したことで起こる症状
- 目のかすみ、視力低下
- 手足のしびれ、痛み
- 足のむくみ
- 立ちくらみ
- 傷が治りにくい
- 感染症にかかりやすい など
その他
- 健康診断で指摘された
- 献血で糖尿病の疑いがあると言われた
- 他の疾患から糖尿病の可能性を示唆された
- 妊娠中に高血糖が見つかった など
糖尿病の診断基準
正常型 | 境界型 (糖尿病予備軍) |
糖尿病型 | |
---|---|---|---|
空腹時血糖値 | 100mg/dL未満 | 110~125mg/dL | 126mg/dL以上 |
75gOGTT 2時間値 | 140mg/dL未満 | 140~199mg/dL | 200mg/dL以上 |
HbA1c | 5.6%未満 | 5.6~6.4% | 6.5%以上 |
空腹時血糖値が110~125mg/dL、HbA1cが6.0~6.4%の方は「糖尿病の疑いが否定できない」グループ、空腹時血糖値が100~109mg/dL、HbA1cが5.6~5.9%の方は「将来糖尿病を発症するリスクが高い」グループとなり、注意深く見ていく必要があります。高血圧や肥満などの条件と照らし合わせながら経過観察を行います。
糖尿病予備軍のうちからのケアが大切です
糖尿病予備軍と聞くと「まだ発症していないから大丈夫」と思いがちですが、実はすでに体の中では変化が起き始めています。
インスリンの働きが徐々に弱まっていたり、動脈硬化がすでに生じていたりするほか、心筋梗塞や脳卒中などの心疾患を発症するリスクは、血糖値が正常な人に比べ2倍以上になるという報告もあります。
糖尿病予備軍と診断された方は、生活習慣を改善することが糖尿病発症の予防につながります。以下を参考に、できることから始めてみましょう。
- 暴飲暴食を避ける
- 野菜やきのこ類、海藻類を積極的に摂る
- ひと駅前で下車し歩いてみる
- 禁煙する
- 睡眠時間を確保し、ストレスをためないようにする など