糖尿病の検査と診断

糖尿病の検査と診断

検査は「やってみないとわからない」

検査は「やってみないとわからない」

糖尿病の早期発見には、検査がとても重要です。職場や自治体の制度を利用し、定期的に健康診断を受けましょう。
しかし、なかなか時間が作れずに健診を受けていない方や、検査で指摘されたのに受診していないという方が多いのが現状です。糖尿病は初期にはあまり自覚症状がなく、検査をやってみないとわからないものです。

川崎市・武蔵新城のおばな内科クリニックでは、手軽な尿検査だけでも受けてみることを勧めたり、採血を指先からできるシステムを導入したりと、患者さんに負担の少ない検査に取り組んでいます。糖尿病を発見するだけでなく、健康について考える「きっかけ」になるよう、皆さんのご希望に寄り添った検査を進めています。

糖尿病の検査

血液検査

採血によって調べるのは、血糖値とHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の値です。10分ほどで検査結果が出ます。

血糖値

血液中の糖(血糖)は食事の前後で変動します。そのため、10時間ほど何も食べていない状態(空腹時)と食事から2時間経過したときの血糖を見れば、インスリンが正常に働いているかどうかを知ることができます。

HbA1c

HbA1cとは赤血球と結合した糖(糖化ヘモグロビン)の割合です。食事や運動などによって一時的に影響を受けることはないので、過去1~2カ月間の平均値を調べます。

HbA1cについて詳しくはこちらもご覧ください。

尿検査

検尿には、糖やたんぱく、pH、ケトン体などの項目があり、糖尿病が疑われる方やすでに糖尿病と診断されている方にも定期的に受けていただく検査です。ただし、尿検査だけで糖尿病と診断することはできません。

尿糖

通常、血糖値が160~180mg/dLになると尿糖で陽性反応が出ます。健康診断で指摘される方も多く、この場合は糖尿病を疑います。一度でも尿糖が出たからと言って必ずしも糖尿病になっているとは限りませんが、早めに詳しい検査を受けましょう。

尿たんぱく

たんぱく質の主成分であるアルブミンが尿に出ているかを調べます。
尿たんぱくは、糖尿病腎症の可能性を調べる重要な指標です。将来的に人工透析が必要になることもあるので、こまめな検査が大切です。

pH

尿が酸性かアルカリ性かを調べます。基準値はpH6前後で弱酸性ですが、これより数値が低い酸性を示した場合は糖尿病の可能性があります。

ケトン体

インスリンが不足すると脂肪が分解され、脂肪分から生成されるケトン体という物質が尿中に排泄されることがあります。糖尿病発症時やインスリン注射の中断によってこのケトン体の値が著しく高まると、糖尿病性ケトアシドーシスという極めて危険な状態を招く恐れもあります。

糖尿病の診断

糖尿病の診断基準は以下のとおりです。

① 早朝空腹時血糖値が126mg/dL以上
② 75g経口ブドウ糖負荷試験で血糖値が200mg/dL以上
③ 随時血糖値が200mg/dL以上
④ HbA1cの値が6.5%以上

※①~③のうちいずれかと④が同時に確認されれば、糖尿病と診断します
一度の検査では診断がつかないこともあるため、段階的に複数回の検査を行う場合もあります。いずれにせよ、悪化を防ぐためには早めの検査で糖尿病を見つけ、しっかりとコントロールしていくことが重要です。

※ブドウ糖負荷検査を希望される場合は、事前のご予約が必要です

糖尿病診断のフローチャート

日本糖尿病学会 : 糖尿病の分類と診断基準に関する委員会報告. 糖尿病53(6):458, 2010より一部改変

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