患者さんとご家族の心身のサポートを
糖尿病、特にⅡ型糖尿病には遺伝的要素も大きく関わります。ご家族に糖尿病の方がいる場合は、糖尿病発症を予防するため、また糖尿病患者さんの進行をゆるやかにするためにも、一緒に健康的なライフスタイルを作っていくことが大切です。
川崎市・武蔵新城のおばな内科クリニックでは、糖尿病の患者さんの診断・治療はもちろん、そのご家族ができるケアをしっかりと周知し、さらには地域全体でサポートできるような体制の構築をしたいと考えています。糖尿病のご家族をどう支えていくべきなのか、またご家族に患者さんがいるので糖尿病への不安があるなど、どんなお悩みでもお気軽にご相談ください。
糖尿病と遺伝
糖尿病の遺伝的要素とは、糖尿病そのものが遺伝するのではなく、糖尿病になりやすい体質が遺伝することを意味します。特にⅡ型糖尿病とは深い関係があり、両親ともに糖尿病を患っている場合は最もリスクが高く、両親のどちらか一方の場合でもかなりの確率で子どもが糖尿病を発症すると言われています。
しかし遺伝だけで決まるわけではなく、不健康な食生活や運動不足、ストレスなども発症に関わるため、糖尿病の患者さんと同じ生活を送っていることがリスクを高めるとも考えられます。
なお、Ⅰ型糖尿病では遺伝の影響はⅡ型糖尿病と比べて低いとされています。両親ともに糖尿病の場合でも、また片方の親のみが糖尿病の場合でも、発症リスクは比較的低いことが知られています。
家族が糖尿病と診断されたら
糖尿病と診断された患者さんは、これからの治療や病気の進行について不安を感じているはずです。食事や運動による治療は一人だけではなかなか継続できず、血糖もすぐに下がるわけではないため、焦りを感じることもあるでしょう。ご家族が温かくサポートし、またご家族が感じる問題もため込むことのないよう注意しながら治療を進めていきましょう。
受診状況の確認を
糖尿病の治療は長きにわたるため、仕事などのスケジュールで都合がつかない、うっかり忘れてしまったなど、受診できない場面も出てきます。また、自覚症状がないからと言って自己判断で受診を中断してしまう方もいらっしゃいます。
血糖コントロールの確認や合併症の早期発見などのためにも、定期的な受診が必要です。もし受診が滞っていれば、心配していることを伝えて通院が再開できるようサポートしてあげてください。
一緒に治療に取り組む
糖尿病の治療は薬を飲むだけではありません。バランスのよい食事を心がけたり、散歩などの運動を取り入れたりといった生活習慣が、血糖コントロールの改善に大切です。患者さんが一人で我慢したり苦痛に感じたりしないよう前向きに声をかけ、可能な限りご家族も一緒に取り組むようにしましょう。
無理せず病気と向き合う
心配するあまり、高すぎる目標を立てたり少しの変化に過度に反応したりすると、患者さんの負担になることがあります。特に長い間続けてきた生活習慣を変えることは難しいため、プレッシャーを感じて治療が継続できなくなってしまうことは避けなければいけません。患者さんのがんばりを認め、焦らずに向き合うことが大切です。
また、ご家族が感じる不安を患者さん本人にぶつけてしまわないよう、医師にこまめにしてください。当院の管理栄養士による栄養指導もご活用ください。