食事療法をうまく進めるお手伝いをします
糖尿病には様々な病態があるものの、その治療の基本は食事療法です。病態にもよりますが、初期のⅡ型糖尿病であれば、食事療法を行うだけで血糖コントロールができる可能性もあるので、しっかりと続けて取り組むことが大切です。
当院では週に2回、管理栄養士による栄養指導を実施しています。栄養バランスのよい献立や、血糖値を上昇させないための食べ方など、患者さんの体調に合わせた方法を探り、食事療法成功のお手伝いをさせていただきます。
※管理栄養士による栄養指導をご希望の際は、事前にお問い合わせください
食事と血糖値
通常、食後すぐから上昇した血糖値は、インスリンの働きによって2時間ほどで食べる前と同じ値まで戻ります。しかし、インスリンがうまく働かなかったり分泌量が少なかったりすると、血糖値が高い状態が続いてしまいます。
食事を見直すことは、インスリンが正常に働くようにするだけでなく、肥満の予防や将来的な健康づくりにもつながります。
三大栄養素とバランス
炭水化物、たんぱく質、脂質はエネルギーのもととなる三大栄養素です。また、ビタミンやミネラルも体の働きを保つために必要です。どれも欠かすことのできない栄養素のため、摂りすぎを気にするあまり極端に減らすことは禁物です。過不足がないようバランスを考えましょう。
三大栄養素の役割と摂取量の目安
役割 | 摂取量の目安 | ||
---|---|---|---|
炭水化物 | 糖質 | 体のエネルギー源になる | 摂取エネルギーの40~60% |
食物繊維 | 血糖値の上昇をゆるやかにしたり、腸内環境を改善したりする | 20g以上 | |
たんぱく質 | 筋肉や臓器などを作ったり、酵素やホルモンとして体の働きを調整したりする | 摂取エネルギーの20%まで | |
脂質 | ホルモンや細胞など体の働きを調整する物質を作る材料になる | 摂取エネルギーの20~30% |
食事療法のポイント
規則正しい時間に食べる
食事の間隔をあけすぎると、食後血糖値が上がりやすくなります。3食を規則正しい時間に食べるようにし、なるべく同じ量を摂るようにします。また、夜遅い時間や寝る直前の食事は控えましょう。
間食を習慣にしない
間食は血糖値が高い状態が続きやすく、習慣にしていると食べすぎにつながります。週に何回、何kcalまでと決めたり、ナッツや少量の果物など血糖が上がりにくく、ビタミン・ミネラルを含むものを選んだりしましょう。ただし、薬の種類や症状によっては、低血糖予防のために間食が必要な場合があります。
食物繊維はなるべく毎食
野菜や海藻、きのこなどに含まれる食物繊維は、糖質の消化・吸収をゆるやかにし、血糖値が急激に上がることを防ぎます。冷凍野菜やカット野菜を活用したり、ナムルやごま和えなどの手軽なレシピを取り入れたりして、なるべく毎食食べられるようにしましょう。
食べ方を意識する
炭水化物を多く含む食品をいきなり食べるのではなく、野菜や肉・魚料理から食べると血糖値の上昇を抑えられます。また、ゆっくりよく噛んで食べることで、食べすぎ防止になります。一口の量を減らしたり「ながら食べ」を避けたりして、早食いにならないよう工夫しましょう。
嗜好品に注意
加工食品には多くの塩分が含まれているため、なるべく控え、食べる場合はなるべく減塩と書かれているものを選ぶとよいでしょう。菓子類は脂質の多い洋菓子だけでなく、和菓子でも血糖値が上がりやすいものがあるので注意します。お酒は糖質を多く含むビールやチューハイ、カクテルなどは避け、適量を楽しむようにしましょう。
上記について、詳しくはこちらでも解説しております。