糖尿病の原因と前兆

糖尿病の原因と前兆

糖尿病の前兆はほとんどありません

糖尿病の前兆はほとんどありません

糖尿病は初期段階ではほとんど自覚症状がない病気です。のどが渇く、尿の回数が増えたなどの症状に気づいたときは、かなり血糖値が高くなっているかもしれません。進行すると重篤な病気につながることもあるため、糖尿病は早期発見・治療がとても大切です。

健康診断で指摘された方はもちろん、普段の生活習慣を知る方から「将来糖尿病になるかもしれない」と言われたなど、気になることがあれば当院までご相談ください。早めの対策で、糖尿病の発症や進行を予防しましょう。

糖尿病の原因~遺伝因子~

糖尿病とアジア人

日本人を含むアジア系の人種はインスリンの分泌が少なく、欧米人に比べⅡ型糖尿病の発症率が高いと言われています。
これは、限られたエネルギーを有効に使うことができる「倹約遺伝子」を持っている人が多いからだと考えられています。倹約遺伝子はかつて食料が少なくても生き延びるために有効でしたが、一方で少しの食べすぎや運動不足でも内臓脂肪が蓄積しやすく「肥満を招く遺伝子」とも言えます。

糖尿病と家族歴

家族に糖尿病の方がいる場合、Ⅰ型糖尿病とⅡ型糖尿病の両方で発症リスクが高まると報告されています。特にⅡ型糖尿病では、家族歴がある場合のリスク上昇が顕著です。

一般的に親よりも子、子よりも孫のほうが糖尿病の発症年齢が低いとも言われますが、家族歴がある分、対策ができるという見方もあります。今は糖尿病の所見がない方も、食事や運動習慣を見直しておくことが大切です。

糖尿病の原因~環境因子~

糖尿病と肥満

インスリンは糖を有効的に利用し、血糖値を下げる働きがあります。肥満になるとインスリンの働きが弱まるため、膵臓がたくさんインスリンを作ろうとします。しかし、やがて膵臓も疲れて機能が低下してしまうため、結果的に血糖値が上昇してしまうのです(Ⅱ型糖尿病)。

肥満の基準

肥満の判定にはBMIを用います。

BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
やせ 18.5未満
標準 18.5~24.9
肥満 25.0以上

 

また、肥満は以下の2つのタイプに分類されます。
特に内臓脂肪型肥満の方は、糖尿病や高血圧などの生活習慣病を発症するリスクが高いと言われています。

皮下脂肪型肥満
(洋ナシタイプ)
内臓脂肪型肥満
(リンゴタイプ)
主に皮下組織に脂肪が蓄積されます。おなかや太もも、お尻などに脂肪がつく、いわゆる「下半身太り」です。比較的女性によく見られ、内臓脂肪よりも減りにくい特徴があります。 主に腹筋の内側や腸のまわりなどに脂肪が蓄積されます。おへそまわりがぽっこりと出た体型になり、男性では腹囲85cm以上、女性では90cm以上が内臓脂肪型肥満の目安と言われています。

糖尿病と食事

食事の欧米化などを背景に、糖質や脂質の多い食事が糖尿病の原因になることも指摘されています。ごはんやパン、ジュース、果物などに多く含まれる糖質は、摂りすぎるとインスリンの働きが追いつかなくなります。また、揚げ物やスナック菓子などの脂質が多い食品の摂りすぎによる肥満は、インスリンの効きを悪くしてしまいます(インスリン抵抗性)。これらの食生活を続けていると血糖値が上昇し、糖尿病を引き起こすと考えられています。

糖尿病と運動

運動には様々なメリットがあります。体を動かすことで大量のエネルギーを消費し、特に食後は血糖値の上昇を抑えることも期待できます。軽度のトレーニングを続けることで、インスリンの効きがよくなり、血糖値の改善が図れることもわかっています。
反対に運動不足の方はインスリンの効きが悪くなったり、エネルギーが消費されず肥満につながったりし、結果として糖尿病を招く原因になります。

糖尿病と加齢

年齢を重ねるとともに膵臓の働きも弱まるため、インスリンの分泌が少なくなります。加えて、筋肉の減少や肥満の増加などもあり、高齢者は糖尿病にかかりやすいと言われています。高血圧や骨粗鬆症、関節痛などが影響することもあり、糖尿病の症状が見られなくても定期的に健康チェックをしておく必要があります。

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